私がpCloudの買い切りプランを購入する前に気になっていたのは、ファイルの転送速度でした。
というのも、他の人の口コミを見ると「遅い」「もっさり」など、どちらかというと「遅い」よりの意見が多めな気がして……。
でも結局のところ、
- 自分のネット環境で
- 自分の用途で
どうなのかは、自分が使ってみないと分からないんですよね。
なので1ヶ月間だけ500GBの月額プランを契約し、ファイルのアップロード速度やフォルダの同期速度をテストしました。
その結果、
「pCloudのデータ転送速度は決して速くはないが、私の用途には許容範囲内である」
となりました。そして買い切りプランの購入に至った次第です。
というわけで、今日はその時のテスト結果を書いていきますね!
今回のテスト環境
今回のテストに使ったのは
- MacBook Air 2023 (M2)
- WiFi 5GHz
- Safari(デフォルトのブラウザ)
です。
環境としては、
- 地方の田舎
- フレッツ光の一般家庭用のネット回線
- ルーターはNEC製のAterm(2020年発売)
となっております。
あと、pCloudのサーバーは「欧州連合」を選択。(これは多分「米国」を選択した方が速いと思います……日本からの距離とか、経由する地点の数とか、そういうものの関係で。じゃあなんで「欧州連合」を選択したのかっていうのは、今は割愛。)
とにかくこんな感じで、検証スタートです!
検証1: 動画ファイルのアップロード
まず、私がpCloudのブラウザ版から1.28GBの動画ファイル(MP4)を1つアップロードしてみたところ、かかった時間は
- 1回目:1分29秒
- 2回目:1分26秒
となりました。
1GBあたり87.5秒かな?
Google DriveやOneDriveと比較すると?
比較のため、全く同じ1.28GBの動画ファイルをGoogle DriveやOneDriveにアップロードしてみた結果が以下です。
Google Drive
- 1回目:0分52秒
- 2回目:0分38秒
OneDrive
- 1回目:2分36秒
- 2回目:3分20秒
単位を秒だけにして平均値を取ると、
- Google Drive:45秒
- pCloud:87.5秒
- OneDrive:178秒
こんな感じですね。
pCloudは、Google Driveと比べると倍くらい遅い。一方で、OneDriveと比べると倍くらい速い。
そんな結果になりました。
(※あくまでも私のテスト環境下での話ですよ!)
私はこれまでGoogle Driveを使っていたので(といっても無料の15GBの範囲内ですが)、最初の体感としてはやはり「pCloudは遅いなぁ」でしたね。でも、
私がギガバイト単位のファイルを新規アップロードするのは稀だし……まあ、コレくらいは良いか
となりました。バックグラウンドでファイルをアップロードしながら他の作業をしていれば特に問題ないし。
検証2: フォルダの同期
つぎは、フォルダの同期にかかる時間を測っていきます。
検証1でアップロードしたのは「1つの動画ファイル」でしたが、今度は「何百・何千ものファイルが入ったフォルダ」です。
また、検証1ではブラウザ版からファイルをアップロードしましたが、今回はデスクトップ版アプリから「同期」機能を使ってアップロードをしていきます。
フォルダの同期にかかる時間
その結果がこちら↓
容量 | ファイル数 | 同期時間 | 1分あたり |
---|---|---|---|
4.14GB | 163 | 6分 | 0.69GB |
8.55GB | 170 | 10分 | 0.85GB |
26.07GB | 1,742 | 46分 | 0.56GB |
32.2GB | 2,175 | 65分 | 0.49GB |
検証1の「1ファイルのみ」の時は、1.28GBを1.5分以内にアップロードできていた=1分あたり0.83GBくらいは転送できていたので、それと比べると全体的には遅くなりましたねー。
でもこれも、
容量の大きいフォルダを新規にアップロードするのは最初だけで、あとは差分アップロードになるし……まぁ良いか
となりました。
検証3: 古い規格のWiFi接続や、古いPCではどうなる?
ついでに、古めのWiFi規格やPCを使ってデータの転送速度を測ってみます。
WiFi 2.4GHzでフォルダ同期
検証1、2で使ったWiFiの規格は5GHzでしたが、これを世代の古い2.4GHzにグレードダウンして、pCloudへのフォルダ同期を試してみました。その結果がこちら↓
容量 | ファイル数 | 同期時間 | 1分あたり |
---|---|---|---|
36.27GB | 1,649 | 139分 | 0.26GB |
36.09GB | 1,946 | 129分 | 0.27GB |
1分あたり0.49〜0.85GBくらいで転送できていた5GHzと比べると、2.4GHzは半分以下のスピードですね。
まあ、これは納得。
古くなってきたWindows PCでのフォルダ同期
最後に、古いデバイスでの同期スピードを検証していきます。あ、WiFiの規格は5GHzに戻します。
ここまで検証に使ってきたデバイスはMacBook Air 2023(M2)なんですが、我が家にはもう一台、Windowsの Surface Laptop (第1世代)があります。2017年発売なので、すでに8年前の機種ですね。ギリギリWindows11にアップグレードできないレベルのスペックです。
このSurface Laptopで、pCloudのデスクトップ版アプリを使ってフォルダを同期してみた結果がこちらです↓
容量 | ファイル数 | 同期時間 | 1分あたり |
---|---|---|---|
9.41GB | 10,808 | 192分 | 0.049GB |
32.1GB | 2,495 | 358分 | 0.089GB |
遅っ!!
検証2(MacBook Air 2023)のときは、1分あたり0.49GB〜0.85GBを転送できてたんですよ!?
なのに今回は0.049GB〜0.089GBって……10分の1じゃないですか……!!
繰り返しますが、WiFiの規格は検証1、2と同じWiFi5です。
8年前の機種と2年前の機種、こんなに差が出るんですね……!!
結論
さて、ここまで色々やってきての結論です。
まず分かったことは、
pCloudはGoogle Driveよりは遅い
これはまあ、サーバーの位置とかも関係あるでしょうね。pCloudのサーバーはアメリカかヨーロッパのみですが、Google Driveのサーバーは東京と大阪にもあるみたいですし。
ファイルがたくさんあるフォルダの同期はさらに遅い
もともと手元にテラバイト単位のデータがある方は、最初は数日間〜1週間くらい同期に時間がかかるかもしれません。
それ以降は、差分のみのアップロードができます。
デバイス、WiFi、ネットの接続環境に大きく左右される
結局、pCloudに限らずクラウドストレージを快適に使えるかどうかは、
- デバイスのスペック
- ルーターのスペック
- WiFiの規格
- 契約しているネット回線
このあたりの影響が本当に大きいです。
我が家もそろそろルーターを新しくして、Wi-Fi 6(802.11ax)を使えるようにしたいなと思いましたw

データのアーカイブ先として使うには、買い切り版があるpCloudはコスパ良くておすすめです!